雇用主は、どのように従業員をサポートし、ビジネスリスクを軽減することができるか?

ストレスやその他のメンタルヘルスの問題による欠勤期間の後、職場復帰する従業員を管理するにあたっては、積極的かつ協力的なアプローチが求められます。適切な手続に従うことで、雇用主は、従業員の健康を優先させながら、雇用主のビジネスを守ることが可能になります。

従業員のメンタルヘルスへの取り組みを示すことで、責任感があり思いやりのある雇用主としての組織のイメージが高まります。一方で、従業員のメンタルヘルスの懸念を無視したり、誤った対応をすると、従業員の状態が悪化するだけでなく、ビジネスに対するリスクにつながる可能性があります。

病気欠勤に関連するすべての問題と同様に、正しいプロセスに従うこと、および、こうした状況への対応を誤ることに伴う潜在的なリスクを認識することが重要です。

雇用主が従うべき正しいプロセスとは?

従業員がメンタルヘルスの問題による欠勤期間後に職場に復帰する場合、包括的な「職場復帰」面接を実施することが強く推奨されます。雇用主にとって、従業員の状況を理解することは重要であり、従業員にとっても、組織がどのように従業員をサポートできるか、また、表明された懸念が真剣に受け止められていることを理解することは重要です。「職場復帰」面接は、オープンなコミュニケーションラインを確立し、従業員が職務にスムーズに復帰できるようにするための重要な機会として機能します。望ましいプラクティスとして、以下のようなものがあげられます。

  • 従業員とのプライベートかつ秘密厳守の面談を設定する。 従業員がその懸念事項や経験を安心して話し合える安全な場を設ける。
  • 従業員の経験、懸念、期待に注意深く耳を傾ける。
  • 必要とされる調整や配慮を含む、職場復帰の成功をサポートするための計画を協力して作成する。調整には、実現可能な場合には、フレキシブルな労働時間、仕事量の削減、または勤務体制の変更が含まれることがある。
  • 計画を明確に伝え、雇用主と従業員の双方が、期待とサポート体制に関する共通認識を持っていることを確認する。
  • 非常に重要な点として、面談の記録を残す。何が議論されたか、および、どのような合理的な調整が合意されたか(合意がなされた場合)を記録しておく。この記録を必ず従業員と共有する。
  • Employee Assistance Program(従業員支援プログラム)やメンタルヘルス支援サービス(多くの場合、プライベート医療保険制度を通じて利用可能)などのリソースへのアクセスを提供し、従業員がサポートを受ける機会を確保する。

従業員の状況やどのようなサポートが必要かを理解する上で、(従業員の同意を得た上で)Occupational Health assessments(労働衛生評価)などの外部のサポートを利用することが有用な場合もあります。

従業員の職場復帰を支援する際の指針とできるよう、病気欠勤に対処するための社内プロセスやポリシー、「職場におけるストレスとメンタルウェルビーイング」ポリシーなど関連するポリシーを、常に確認する必要があります。

雇用主が留意すべき点は?

メンタルヘルスによる欠勤後の職場復帰は難しいものです。従業員の状況はそれぞれ異なりますが、気配りと理解が求められる共通のエリアは存在します。以下は、考慮すべきいくつかのポイントです。

  • メンタルヘルスの状態を決めつけたり、烙印を押することを避ける。個々人に共感、敬意をもって接し、秘密を守る。
  • 従業員をサポートする環境を提供し、従業員が再適応するのを辛抱強く待つ。
  • 秘密保持:従業員のメンタルヘルスに関連するすべての話し合いや情報は、データ保護規則に従い、最大限の機密情報として取り扱われるようにする。
  • 話し合い、講じられた調整、提供されたあらゆる継続的なサポートについて、正確な記録を残す。この記録は、紛争や法的な問題が発生した場合に企業を守ることに役立つ。
  • メンタルヘルスおよび障がい者差別に関する雇用法および規制を必ず遵守する。遵守しなかった場合、企業に対して法的請求がなされる可能性がある。
  • ストレスやメンタルヘルスの問題を抱える従業員を公平かつ平等に扱い、同僚と同じ機会や福利厚生にアクセスできるようにする。差別的慣行や偏見に基づく行動を避ける。

復職後のフォローアップを怠ることのリスクは?

メンタルヘルスに関する懸念への対処を怠り、必要なサポートを提供しなかった場合、従業員の病状が時間の経過とともに悪化する可能性があります。従業員がサポートされていないと感じたり、従業員のニーズが満たされていないと感じたりすると、従業員は意欲を失い、生産性の低下につながる可能性があります。極端な場合、メンタルヘルス問題の対応を誤ると、組織に対して法的請求がなされ、組織の評判、財政的な安定や従業員の士気に影響を及ぼす可能性もあります。

病気欠勤の問題がエスカレートし、管理者が当初から適切なプロセスに従わなかった場合、重大な問題が生じる可能性があります。第一に、適切な手続に従うことおよびそれを文書に残すことを怠った場合、起こり得る法的な紛争やクレームにおける雇用者の立場を弱くする可能性があります。従業員の職場復帰をサポートし、健康上の懸念に対処するために取られたステップの明確な記録がなければ、雇用主は注意義務を果たし、合理的な配慮をしたことを証明するのに苦労する可能性があります。復職を適切に管理することで、復職した従業員が不公正解雇や差別の申立てを行う可能性を減らすことができます。

3CSにできること

3CSは、あらゆるタイプの組織に対し、特定のプロジェクトにおけるサポート、アドホックなサポートやガイダンス、人事業務の一部または全部のアウトソーシングに関するアドバイスなどをサポートします。たとえば以下のような事項に関し、さらに詳しいガイダンスやサポートが必要な場合は、3CSの担当者までお問合せください。

  • 「職場復帰」面接の実施
  • 健康上の不安を抱える従業員のサポート
  • ヘルス&ウェルビーイングポリシーおよび手順の策定またはアップデート 
Daryl Johnson

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