英国政府は、英国に入国する移民数を年間約 30 万人削減することを目的とした一連の移民改革を発表しました。これらの措置は、2022年に英国への純移民数が過去最高の74万5千人に達したという最近のデータを受けてのものです。

主な変更点は何ですか?

英国政府は、移民数を削減するための5つの計画を発表しました。主な変更点は以下の通りです。

  • 技能労働者(Skilled Workers):技能労働者(skilled worker)ビザの最低給与基準を26,200ポンドから38,700ポンドに引き上げますが、医療および介護従事者は除外されます。新水準の 38,700 ポンドは英国の賃金中央値にほぼ相当します。
  • 不足職種:不足職種において雇用主が「一般賃金」よりも20%低い給与で移民を雇用することを可能にしていた割引を廃止します。不足職種リストも見直され、縮小されます。
  • 医療および介護ビザ(Health and Care visas):医療および介護ビザ(Health and Care visa)ルートで移住する海外の介護従事者(care workers)が家族を連れてくることを禁止します。ビザ申請のスポンサーとなることを望む介護会社(care firm)は、介護品質委員会(Care Quality Commission)の規制を受ける必要があります。
  • 家族ビザ:家族ビザの所得基準を、技能労働者(skilled worker)ビザと同じ38,700ポンドに引き上げ、扶養家族を制限します。現行の基準は18,600ポンドです。
  • 学生ビザ:今年初めに学生ビザで家族を連れてくることに関する規則が厳格化されたことを受け、政府は潜在的な濫用に対処し、教育の質を保護するために移民諮問委員会(Migration Advisory Committee)に新卒者ルートの見直しを要請する予定です。

これらの発表の背景は何ですか?

英国政府の新しい移民計画は、過去最高レベルの移民数への対応を求める世論の圧力が高まる中で発表されました。公式な統計によると、2022年の純移民数は74万5千人に急増し、現行の記録が始まって以来最高の水準です。

記録的な移民数の増加は、2010年以来、特にブレグジット後の移民を抑制することを繰り返し誓ってきたリシ・スナク首相と保守党にとって大きな政治的ジレンマをもたらしています。

新たな措置はいつ実施されるのですか?

これらの変更は2024年春に実施される予定で、完全に実施された場合、年間最大30万人の移民削減を目指しています。

新たな措置に対する批判や懸念はありますか?

一部の関係者は、この変更計画を強く批判しています。雇用者団体は、この改革は雇用難を悪 化させ、人件費を引き上げ、ロンドンの賃金水準に見合うことができない地方の小規模雇用主が不利になると主張しています。

特に、技能労働者(Skilled Worker)ルートを利用して低技能職に移民労働者を雇用している雇用主は、このように高い給与を支払うことが不可能になる可能性があります。接客業(hospitality sectors)は一般的に人手不足が指摘 されているため、特に不利になると予想されます。政府はこれまでのところ、介護業(case sector)以外の業界を支援する計画について何も示していません。

また、政府は、技能労働者(Skilled Worker)の職種に標準職業分類(「SOC」)コードを長年使用してきたことが、事実上間違ったアプローチであったことを示唆しているようにも見えます。移民規則(国家統計局から引用)に記載されているSOCコードは、「一般賃金」の給与を示すとされており、これらはビザ申請者に支払われなければならない最低賃金(多くの場合は既に一般的な最低26,200ポンドを上回っています。)です。今となっては、SOCコードシステム全体に疑念を投げかけることなく、移民労働者が定住労働者の賃金を引き下げていたり、移民労働者が「海外からの低価格労働」に何らかの形で貢献したりしていると示唆するのは難しいように思われます。

移民医療付加金 (Immigration Health Surcharge) (IHS)は増加していますか?

はい。移民削減策に加え、政府は「英国に来る移民が公共サービス、特にNHSを不当に利用しないように公平な財政貢献をする」ことを確実にするため、ほとんどの申請者の年間移民医療付加金 (Immigration Health Surcharge)を624ポンドから1,035ポンドに引き上げます。

政府は、この法案が国会で承認された場合、この引き上げは 2024 年 1 月 16 日(または、 この措置が確定してから 21 日後のいずれか遅い日)に発効するとアドバイスしています。

内務省 (Home Office)もビザ手数料を引き上げましたか?

内務省 (Home Office)は2023年10月4日から発効する英国ビザ、永住権、および国籍取得に関する手数料を引き上げました。この料金の引き上げは、英国入国許可(UK entry clearance)、無期限入国許可 (Indefinite leave to enter)、無期限滞在許可(Indefinite leave to remain)、および英国内の滞在許可(leave to remain)の申請など、就労ビザや就学ビザを含む幅広い申請に影響しました。

3CSにできること

これらの措置に関するさらなる情報、移民法に関するアドバイスについては、3CSの担当者にお問合せください。

Thomas Miles

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