登録期限まで残り3か月余り、英国に不動産を所有する外国事業者の、外国事業者登録制度に基づく登録期限が迫っています。
登録期限はいつか?
現在英国内に住宅や商業用不動産を所有している、または7年を超える期間の賃貸借契約を締結している外国事業者は、厳しい罰則や刑事罰を受ける可能性を避けるために、2023年1月31日までにCompanies Houseの外国事業者登録制度に基づく登録を行わなければなりません。
登録を怠るとどうなるのか?
外国事業者の役員は登録可能なすべての受益者を特定するために合理的な措置を講じることが求められており、これを遵守しなかった場合、外国事業者およびその役員には、1日あたり最大2,500ポンドの罰金もしくは5年以下の懲役が科せられる可能性があります。また。役員による不注意なまたは虚偽の申告も、同様の罰則を受ける可能性があります。また、Companies Houseの登録を最新の状態に保ち、毎年の更新を行わない場合も刑事罰の対象となり、1日あたり最大2,500ポンドの罰金が科せられる可能性があります。
さらに、(2023年1月31日の)期日までに登録を完了しない場合、外国事業者は不動産の購入や売却が事実上行えないことになります。
不動産取引にはどのような影響を及ぼすか?
2022年9月5日以降に英国で不動産を購入した外国事業者は外国事業者登録簿に登録しない限り、土地登記所への法的権利の登録や、その不動産に関するいかなる処分を行うことも認められません。また外国事業者が2022年2月28日以降に不動産処分(譲渡、7年超の賃貸、担保権の設定等)を行った場合、処分時の受益者または役員の詳細についても登録しなければなりません。
この法律により、土地登記所に登録された不動産の取得と処分に新たな制限が設けられ、今後登記済みまたは登記可能な不動産の処分を行う場合には、この要件を満たすことが必要となります。登記を伴う処分の対象となるのは通常、土地の自由保有権(freehold estates in land)と7年超の定期借地権(leasehold estates)です。
この制度は誰に適用されるのか?
外国事業者登録制度は、英国の土地や不動産を所有するすべての外国事業者に対し、その受益者または役員の申告を義務付けています。これを遵守しない場合、英国内での土地や不動産の売買、譲渡、賃借、担保権の制限等の厳しい制裁を受けることになります。
外国事業者が以下の時期に購入した土地や不動産を所有している場合、外国事業者登録制度の適用対象となります。
a) イングランドおよびウェールズ:1999年1月1日以降
b) スコットランド:2014年12月8日以降
c) 北アイルランド:2022年8月1日以降
登録にあたりどのような情報が必要となるか?
外国事業者登録には、外国事業者の名称、設立国、登録されている事務所、各受益者(場合によって役員)の生年月日、国籍、現住所、送達先の住所が必要です。提供された情報はすべて、英国当局の監督を受ける、3CSのような認証エージェントによって認証されなければなりません。
また、(複数ある受益者としての条件のうち)どの受益者条件に該当するか、受託者に該当するかどうか(その場合は、信託の詳細な内容も含む)、さらに、The Sanctions and Anti-Money Laundering Act 2018(制裁・マネーロンダリング防止法2018)に基づく金融制裁の対象になっているかどうかの確認が必要です。
登録されると、外国事業者は外国事業者ID番号を取得し、毎年外国事業者登録制度の情報を更新することが義務付けられます。本情報は、一般に公開されます(一部の個人情報を除く)。
外国企業は今何をするべきか?
外国企業は、所有または購入を検討している英国の不動産を早急に特定し、必要であれば外国事業者登録手続を開始する必要があります。登録の複雑さは、企業構造、必要な情報量と情報取得の容易さによって異なります。登録期限が迫る中、不必要な遅延を避けるため、企業は今すぐに行動することが望まれます。
必要な手続きは以下の通りです。
1. 不動産ポートフォリオを見直し、対象となる不動産があるかどうかを判断する
2. すべての受益者を特定する
3. 提出すべき情報(外国事業者および受益者または役員の情報)について、3CSのような認証エージェントによる認証を受ける
4. 2022年2月28日以降に行われた不動産取引を調査する
5. Companies Houseに登録し、毎年更新する
3CSにできること
3CSは、規則の適用方法、登録に必要な手順、取引中の不動産に対する本法の潜在的影響について、ご助言いたします。ロンドンを拠点とする弊社の経験豊富なチームが、登録やコンプライアンスに必要な検証プロセスをサポートします。なお、期限が迫っているため、需要が急速に高まっています。早急な対応が必要です。
商業用または住宅用不動産に関する詳しい法律相談やアドバイスについては、3CSまでお問い合わせください。