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ニュースレター

英国政府発表の新型コロナウイルス雇用維持スキーム - 企業へのアドバイス

23 March 2020

Beth Baird

どのような政府支援が提供されていますか?

英国政府は金曜日、従業員とその雇用者を賃金の面で支援する措置を講じ、企業が新型コロナウイルス雇用維持スキームを通じて、できるだけ多くの従業員を雇用し続けることができるようにすると発表しました。これのスキームには、従業員が「一時的に自宅待機」となることを伴い、これによって従業員の雇用は継続しますが、会社の仕事を行う事が許されません。 「一時的な自宅待機 (furlough)」とは、休職や休暇、または一時解雇を意味します。しかし、この言葉は英国雇用法では認められていません。


このスキームによってどのような資金が提供されますか?

英国政府は、従業員の給与の80%を1か月あたり最大2,500ポンドまで補助金の形で支払い、これは2020年3月1日まで遡って支払うと発表しました。この一時自宅待機への支払いの期間は現在では3か月とされていますが、支払の必要性はその後に見直される予定です。雇用者は月額最高2,500ポンド以上を支払う必要はありません。


どのような企業と従業員が対象となりますか?

英国のすべての企業となります。企業は、「新設されるポータルサイトを通じて、一時自宅待機している従業員とその収入に関する情報をHMRCに提出します。(HMRCが、必要な情報の詳細を指定します)」。一時自宅待機中の従業員は、給与支払名簿 (payroll) に載ったままとなりますが、会社の仕事は一切してはいけません。


この支払制度は、従業員の一時自宅待機を実行せざるおえなかった、または、適用を今後考えている企業を支援するのが目的のようです(前者も対象とされていることからして)。但し、企業がどのように申請すべきか、そして、どのような従業員が適用対象となるかについての詳細はまだ発表されていません。


一時自宅待機(furlough) の法的地位とは?


この新制度の英国雇用法における意味については、ほとんど説明がありません。英国政府は現在までに、雇用主は「影響を受ける従業員を「一時自宅待機労働者 (furloughed workers)」として指定し、従業員にこの地位の変更を通知する必要があり、この従業員の地位の変更は既存の英国雇用法に従い、また雇用契約に応じて、交渉の対象となる場合がある」としています。


ステップ1 企業が取るべき最初のステップは、今後3か月間の会社の財政状態とスタッフに対する見込み需要を確認し、一時自宅待機を要請する可能性のある従業員を特定することです。また企業は、従業員に通常の給与支払いをするために、政府出資の80%の賃金補充への上乗せが可能/希望するかについて判断する必要があります。そうしなければ、影響を受ける従業員の雇用契約条件に対する一方的な変更となるので、そのような変更を実施するためには英国雇用法の意味について法的アドバイスを得る必要があります。


ステップ2 有給休暇の(一部または全ての)期間に関する雇用契約上の位置づけを確認します。雇用契約に一時解雇 (lay-off) 条項を設けている企業もあり、これは何らかのサポートとなる可能性がありますが、もし一時自宅待機の従業員の給与が完全に維持されないのであれば、従業員と協議する義務が発生します。英国雇用法においてはまだ新しい概念であるため、一時自宅待機を課すことを望む雇用主が従業員と協議しなければならない義務を規定する法律は現在制定されておらず、手続に関する政府からのガイダンスもまだありません。当面は、雇用契約上の位置づけと、現行のTUPEおよびTULRCA法の下での集団的および個人的協議についての最適な適用について、また、リスクを軽減する方法について、雇用主は法的アドバイスを受ける必要があります。


ステップ3 会社の仕事をすることが許可されず、したがって暫定的に一時自宅待機を指定された従業員に対し、会社から、一時自宅待機を適用することを通知します。雇用契約上の位置づけと、今後の英国政府の詳細発表に準じて、一時自宅待機期間の合意を得るために、ある程度の協議が要求/推奨される場合があります。


現時点で不明な点は?


新しく発表されたスキームは広く歓迎されている一方、現在判明している回答と同じくらい多くの質問を提起しています。何が支払われるかについて概略で分かっていますが、企業や従業員が助成金の対象となる具体的な状況や、いつ、どのようにお金が利用可能になるのかは分かっていません。例えば、現時点では、このスキームでは雇用主がPAYE / NICの負債を期限内に全額支払う必要があると理解されています。 近日中にHMRCはガイダンスを公開する予定です。英国雇用法の分野でまだ解決されていない重要な問題は次のとおりです:

(i) £2,500に従業員のボーナス/残業/手数料が含まれるのか、または、80%のサポートは基本給のみに限定されるのか。

(ii) 3月1日から現在までの間に一時解雇 (lay off) された従業員の賃金をカバーするために助成金を申請できるのか、そして、実際にどう適用されるのか。以前に適用した一部支払または無給の一時解雇ではなく、一部または全額の一時自宅待機を導入するために、雇用主は従業員に連絡する必要があるかもしれません。これ自体、英国雇用法下ではリスクとなる可能性があります。

(iii) 80%保証/最大2,500ポンドの支払いの恩恵を受ける可能性のある従業員が、収入を補うために、一時自宅待機期間中に別の会社で働く事が許されるのか。法的観点からは、これは通常、雇用契約の条件とそこで許可される他の仕事の範囲によって決定されますが、賃金が不足している従業員は、これに対して異議申立する事が認められる可能性があります。同様に、英国政府が、一時的自宅待機期間中に他の会社で働く事を制限するかもしれません。

(iv) 明らかに自宅勤務できない従業員(例えば閉鎖を余儀なくされたレストランの従業員など)にのみにこのスキームが適用されるのかどうか。雇用主は、一時自宅待機させる従業員の選択過程について法的アドバイスを受ける必要があります。これにより、選択過程が原因で従業員から訴えられる英国雇用法下でのリスクを軽減することができます。


異常な時期であり、過去に考えも試みもされなかった資金導入を英国政府が発表しました。 すべての企業は、これらの手段がどのように、また、どの程度支援となるのかを検討し、従業員を維持およびサポートすると同時に、市場で起こっている劇的な経済的変化の影響を緩和する方法を検討する必要があります。


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