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ニュースレター

新型コロナウイルス関連のまとめ ― 事業救済、商業契約、および商業不動産リース契約について

02 April 2020

Amy Cunliffe-Rowe

Brian Hearne

Ki Lee

世界中の多くの企業が新型コロナウイルスの影響を受けており、パンデミックによる混乱がしばらく続く可能性が高いでしょう。 貴社の事業計画プロセスの一環として、重要な契約を見直してその影響を判断し、英国政府から提供される事業救済の対象となる可能性があるかを検討する必要があります。また、 商業不動産リース契約に影響があるかどうかも検討する必要があります。 今回のニュースレターでは、これらの重要な領域に焦点を当てています。


A. 英国政府による新型コロナウイルス事業救済

前回のニュースレターで取り上げた新型コロナウイルス雇用維持スキームに加えて、英国政府は、経済を援助し、多くの企業が苦しむ困難を緩和するため、その他の事業救済プログラムについて詳細を発表しました。


1.  VATと所得税の延期

これにより、企業は付加価値税 (VAT) の支払いを3か月延期できるようになり、キャッシュフローに柔軟性が得られます。 今までは支払期限が2020年3月20日でしたが、これが2020年6月30日になりました。

自営業者の場合、所得税の支払期限は2020年7月でしたが、これが2021年1月になりました。

すべての企業と自営業者がこれらの変更の対象となり、この変更は自動的に適用されるため、支払延期のための手続は必要ありません。もちろん、延滞料金に対する罰金や利息もありません。また、もし多く払い過ぎていて税金還付が必要な場合には、これらは通常通りに払戻されます。


2. 事業用固定資産税(ビジネスレート)の一時的支払凍結

貴社が小売業、接客業、レジャー産業に携わる企業であれば、ビジネスレート支払が一時凍結されます。

ショップ、レストラン、カフェ、飲酒施設、映画館、ライブ音楽会場、ホテル、寄宿施設、または自炊式の宿泊施設を運営している事業主、または集会やレジャーのためのエリアを提供している事業主はすべて対象となります。一時的支払凍結は2020年4月の議会税法案に反映される予定です。以前のビジネスレートを含む請求書がある場合は、自動的に再発行されます。


3. 疾病手当の援助

英国政府は、中小企業が、新型コロナウイルスのため病欠している従業員に支払った法定疾病手当(SSP)の払戻を受けることができるようにする法律を成立させる予定です。これは、前回のニュースレターで取り上げた雇用維持スキームとは別のものです。 2週間のSSPがカバーされ、従業員が250人未満の企業が対象となる予定です。


4. 現金の交付

小売、レジャー、接客業界で事業を行う企業は、現金による助成金の対象となります。


£15,000以下と評価される不動産を所有している場合、£10,000の助成金を受け取ることができます。£15,000から£51,000と評価される不動産を有している場合、事業主は£25,000の助成金を受け取ることができます。ビジネスレートを殆どまたは全く支払わないが、不動産を占有している中小企業の場合、£10,000の助成を受けることもできます。助成金を受ける資格がある場合は、地方自治体 (local authority) に連絡する必要があります。


5. 新型コロナウイルス事業中断融資スキーム

このスキームは、ローン、当座貸越、および請求書と資産ファイナンスの方法で中小企業を援助します。英国政府は、6年間で合計500万ポンドまでの融資総額の最大80%を保証します。ローン自体は、銀行および認定金融機関から行われます。受給資格がある場合、銀行に直接申請することができます。


B. 商業契約

既存の商業契約を終了したい場合、最初のステップは、契約内容を見て、契約解除についての明示的権利があるかどうかを確認することです。ある場合は、その条項を行使するのが望ましいか否かを検討する必要があります(例えば、通知期間が非常に長い場合、または、契約解除すると商業的関係に悪影響がある場合など、望ましくない場合もあります)。ただし、契約解除条項を含まない契約も多くあり、その場合は、契約解除が可能か否かを検討する必要があります。例えば、契約の相手方に財政上の問題が発生していて、破産による契約終了規定がある場合です(ただし、新型コロナウイルス状況下で破産規則が変更される可能性はあります)。契約解除についての明示的規定または行使可能な権利が無い場合、多くの企業が不可抗力規定 (force majeure) 行使の可否、または、履行不能規定(frustration)の適用を検討することでしょう。


1. 不可抗力規定

英国法では不可抗力規定は特別な意味を持たないため、行使できるか否かは、どのように契約に規定されているかによって異なります(但し、これは契約に規定されている場合のみ)。一般的にこの規定は、当事者がコントロール不可能な事情により契約債務の不履行または履行遅延に陥った場合に、契約債務から免除する事を規定しています。以下は、考慮すべき重要ポイントになります:


i.  不可抗力条項を行使するために、当事者に何らかの要件があるかどうか。例えば、不可抗力によって発生した事態を払拭するために当事者が合理的な努力を行う必要があるかもしれません。

ii.  条項が実際に当事者が履行不能に陥っていることを要件としているかどうか。

iii.  不可抗力条項が新型コロナウイルスを対象範囲とするかどうか。不可抗力として条項に記載されている事態の一覧リストは、限定的である場合も、そうでない場合もあります。リストが非限定的である場合、リストに記載されていない事態でも不可抗力とされる可能性があります。ただし、リストが限定的である場合には、対象となる事態に新型コロナウイルスが含まれる必要があります。条項が「疾患、伝染病またはパンデミック」に言及している場合、新型コロナウイルスがカバーされる可能性があります。その他、適用対象となる可能性のある表現には(実際に適用されるかの解釈は少し複雑ですが)、「神の行為 (act of God」または「政府の行動 (government action)」が挙げられます。 「当事者の合理的なコントルールが及ばない事象、状況、または原因 (events, circumstances or causes beyond a party’s reasonable control)」などの非限定的条項における一般的表現も、条項(および契約)の記載方法によっては新型コロナウイルスをカバーする可能性があります。


2. 履行不能 (frustration)

Frustrationは、契約が履行不能となった特定の状況に適用されるコモンローの概念です。この規定が適用されると、当事者は契約履行義務から解放され、契約が終了となります。端的に言えば、履行不能となる事態とは、予期しなかった場合で、当事者の合理的なコントロールの及ばない場合であり、契約の履行が不可能、または根本的に違ったものとなり、契約締結時点では当事者が意図しなかった履行になった場合を言います。契約において、不可抗力の条項で明示的に言及されていない場合にのみ、適用することができます。ただ実際には、frustration条項を行使するのは非常に困難な場合があるため、これは最後の手段と見なす必要があります。


その他の特定の場合、例えば、契約は終了したくないが費用が増加し価格を上げる必要がある場合等には、法律の変更(change in law)、重大な不利益変更 (material adverse change)、価格変更 (price change ) の条項等、他の契約条項が役立つ場合もあります 。


上記は、簡潔なガイドラインとなる事を目的としています。ですので、実際には、契約内容を注意深く確認し、各状況に応じてリーガルアドバイスを受ける事が非常に重要です。もし正当な契約解除事由が無いのに契約を解除しようとするならば、相手方に、不当解除に基づく契約解除権と損害賠償請求権を与える事になってしまう可能性があります。


C. 不動産商業リース契約

ロンドン(およびイギリス)市場での商業不動産リース契約書は、新型コロナウイルスのような特殊事情下でテナントがどうすべきかについては規定していないのが殆どです。


テナントは、家賃、サービス料、保険の支払について切迫した困難に陥っているかもしれません。そうであれば、不動産リース契約の見直しが必要となるでしょう。


貴社の現在の立場についてアドバイスするに際して、以下のような考慮すべき運用上の条項があります:


i.  どのような状況下で、いつ不動産リース契約を終了できるのか?

ii.  不動産リース契約に特定の不可抗力条項が含まれており、既存の(新型コロナウイルスまたは同様の)状況で契約を中断・終了できるか?

iii.  家賃はいつ、どのような条件で見直されるのか?

iv.  サービスチャージはどのように計算され、サービスはどのように提供されるのか。物件が空いている場合、大家が一部または全てのサービスの提供を拒否する事はあるのか?サービスチャージの割合が下方に再計算される事はあるのか?


大家は、延滞賃貸料や家賃引下など、一時的な支援としてテナントに手を差し伸べ始めています。一部のテナントは、短期間の賃料無料交渉にも成功しています。


弊所では、状況に応じて、不動産リース契約書の運用規定の再確認を行い、家賃の値下げ・一時凍結について、大家との連絡や交渉のサポートを行わせていただきます。


上記のような問題、または、商事関連についてリーガルサポートをご希望の場合は、3CSの商事法または不動産法チームまでご連絡ください。

法律、および人事に関する最新情報をご希望の方は、弊所ニュースレターをお申し込みください。

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