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「一時自宅待機 (furlough)」スキームの最新アップデート ― 従業員の給与をカ
バーする政府の助成金

30 March 2020

Thomas Miles

政府は、会社が従業員の給与を賄うための無料助成金を取得する「一時自宅待機」スキームの詳細を発表しました。 重要な点は以下となっています:


- 従業員を一時自宅待機とし、各従業員の月額賃金の80%まで、最大で月額2,500ポンドまでの助成金支払を政府から受けることができます。

- 上記に加えて、関連する雇用者国民保険料(Employer National Insurance)拠出金 と強制加入職場年金 (automatic enrolment employer pension) の最低拠出金も受け取ることができます。

- このスキームは、通常の英国雇用法の従業員の権利に優先するものではありません。よって、雇用契約書に従っていること、または、変更を行うに際して適切な契約上の同意を得る事を確認する必要があります。弊所の雇用法チームでは、この現在の状況に合わせた一時自宅待機契約書 (Furlough Agreement) をご提供することが可能です。この契約書は、従業員の給与を通常賃金の80%に引き下げようとする場合に特に重要となります。

- このスキームは、2020年2月28日以前にPAYE (Pay As You Earn) スキームを開始し、英国の銀行口座を持っている全ての英国企業に適用されます。

- ポータルサイトを通じて、政府に助成金の支払を請求します。ポータルサイトが4月末までに設置されるとは予想し難いですが、今すぐに従業員を完全な一時自宅待機にして、ポータルサイトが出来たら遡って資金を請求することができます。もし貴社のビジネスにキャッシュフロー上の問題がある場合、政府の助成金を受け取るまで給与支払を遅らせるよう従業員の同意を得ることも可能です。ただ、これは通常の英国雇用法の要件に従って行う必要があります。

- 一時自宅待機とできる従業員は、2020年2月28日までにPAYEに加入している必要があります(ですので、その後新たに採用された従業員には一時自宅待機とできる資格がありません)が、雇用形態はフルタイム、パートタイム、またはフレキシブル/ゼロアワーを含む、あらゆるタイプに適用されます。

- さらに、このスキームを利用して、2020年2月28日以降に人員整理解雇 (redundant)した従業員の給与をカバーすることもできます。ただし、そのためには、その従業員を再雇用して一時自宅待機とする必要があります。(なお、ここでも英国雇用法に準拠する必要があります)。

- 一時自宅待機となった従業員は、一切の会社の仕事を行うことができません。これには、サービス提供または収益をあげる事が含まれると英国政府は明らかにしています。したがって、一定の仕事を継続して実施する必要がある従業員は、たとえ仕事量が減っているとしても、このスキームの対象とはなりません。そのため、短縮勤務している従業員(short-time workingなど)はスキームの適用対象外です。このスキームは、一時自宅待機中に全く仕事を与えられていない従業員のみが適用対象となっています。ただし、政府は、会社のためにサービス提供または収益をあげない限り、従業員がボランティア活動または研修に参加することは許可しています。ただ実際には、その「ボランティア活動」がルールに違反しているか否かの判断が難しい場合があるため、通常はお薦めしません。また、従業員が一時自宅待機中に研修コースを修了させる必要がある場合は、全国最低/生活賃金 (National Minimum/Living Wage) の法律が引続き適用されます。

- 全ての従業員を一時自宅待機にする必要はありません。一時自宅待機とする従業員を選択できます。繰り返しになりますが、ここでも、差別や、信頼を維持する暗黙の義務(duty to maintain confidence and trust) を含む、全ての英国雇用法を遵守する必要があります。

- このスキームの対象となるには、最低3週間は従業員を一時自宅待機の状態とする必要があります。但し、従業員を交代させることを妨げるものではありません。

- 必要に応じて、2020年3月1日まで支払請求を遡らせることができます(例えば、従業員が一時解雇 (lay-off) されたか、解雇された場合。)

- 雇用主は、一時自宅待機とされた従業員に対し、その旨を確認する書面を送り、そのコピーを記録として保管しておく必要があります。これは、適用資格があることの証明としてHMRCに提供する必要がある場合に備えて行っておいてください。ただし、英国雇用法を遵守するためには、正式な一時自宅待機契約書を作成することをお薦めします。

- 複数の雇用者のために働いている従業員は、各雇用者によって個別に扱われ、一方の雇用形態は、他方の雇用形態に影響しません。

- 給与は、PAYEおよびその他の控除とともに、通常通りの給与計算プロセスを経て会社から従業員に支払われることに注意してください。その後、会社がHMRCからの助成金を請求する事になります。

- HMRCは給与の80%(および雇用者国民保険料(Employer National Insurance)拠出金 と強制加入職場年金 (automatic enrolment employer pension) の最低拠出金)のみをカバーしますが、会社は、それよりも高い給与(例えば、通常の100%給与分)を支払う事を選択することも可能です。

- 受け取った助成金は従業員に必ず支払う必要があることに注意してください。例えば、80%の助成金を受け取っておきながら、従業員に50%だけ支払う事は出来ません。

- 一時自宅待機となった従業員は、休暇、SSP (Statutory Sick Pay) 等を含め、引続き他の全ての権利を享受することができます。

- 現時点で、この政府助成金スキームは、3月1日から最低3か月間、つまり2020年5月末まで実施される事になっています。この期間終了時にスキームが延長されない場合には、雇用主は、一時自宅待機となっている従業員に対して何らかの対応をする必要があります。すなわち、仕事に戻すか、一時解雇 (lay-off) または短縮勤務 (short-time working) を適用するか、人員整理解雇手続を開始するか、または、その他従業員と合意した手続を取るか等となります。


移民労働者 (migrant worker) を一時自宅待機にすることは可能か?


これまで、会社がスポンサーとなってビザを発行している移民労働者を一時自宅待機とする事ができるか否かについて多くの不確実性がありましたが、以下の点について今回明確になりました:

- 扶養家族や家族関連のビザで、会社がスポンサーとなっていない移民労働者(すなわち、Tier 2 ビザやTier 5 ビザ以外のビザ保持者。ただし、ワーキングホリデービザ(Tier 5 Youth Mobility Scheme)はこの分類に含まれる)については、現地のローカル従業員と同様の扱いとなる

- 会社がスポンサーとなってビザを発行している移民労働者は、各ビザのタイプに応じて、スポンサーシップ証明書(CoS)に記載された仕事のSOCコードに適した最低給与要件が支払われる必要がある。 但し、Home  Officeは、以下の点について確認しました:

o 新型コロナウイルスに起因する従業員の不在をHome Officeに報告する必要はありません(隔離の必要性、または旅行規制のために渡航できないことを含む); そして

o 従業員が4週間を超えて無給欠勤する事でも、スポンサーとなることを取消す必要はありません。


上記に基づけば、現在Home Officeは移民が無給欠勤する状況を受け入れるように見受けられるので、移民労働者を一時自宅待機とさせて助成金を申請できない理由はないはずです。


但し、顧客の需要減少(Home  Officeによって言及されたこの例は、上記同様の病気や隔離、旅行規制のため渡航できない等)による仕事量の減少を理由に、移民労働者が無給欠勤する事をHome  Officeは明確には認めていない事に注意してください。ただ、この前例のない状況に対してHome  Officeは柔軟であり、言及された上記3つの例以外の場合でも、一時自宅待機とされた移民労働者に対して強制措置を取る可能性は低いと予想しています。


また、Home  Officeはこの現在の方針を検討し続けると述べており、今後いつでも変更される可能性があることに注意してください。これは英国政府の一時自宅待機スキームとは別の制度であるため、同じタイムスケジュールで適用となる事にはならないでしょう。



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