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ニュースレター

[紛争] Covid-19事業中断保険テストケース - 金融行為規制機構(FCA)の控訴に対する連合 王国最高裁判所(Supreme Court)の判決

01 February 2021

Adam Haffenden


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2021年1月15日、連合王国最高裁判所(Supreme Court)は、事業中断(business interruption (BI))保険の テストケースであるThe Financial Conduct Authority v Arch and Others [2020] EWHC 2448 (Comm)で審理 された控訴審に対する判決を言い渡しました。この控訴は、先日2020年9月15日に下された高等法院(High Court)の判決を受け、金融行為規制機構(Financial Conduct Authority (FCA))、Hiscox Actionグループおよびテストケースに関与した8社の保険会社のうち6社が提起したものです。


連合王国最高裁判所は、金融行為規制機構の4件の控訴すべてを支持する判決を下し、Covid-19パンデミックの結果としての事業中断(BI)による損失を被った全国の保険契約者にポジティブなニュースをもたらしました。連合王国最高裁判所はその判決を要約していますので、私たちはその主なポイントを以下に示します。


1. 疾病特約 - 保険契約内に規定された疾病特約は通常、被保険者の事業施設またはそこから一定の 距離内で届出義務のある疾病が発生した場合の事業中断(BI)を補償するものです。


裁判所は、保険契約内に「被保険者の事業施設から一定の距離内[通常は半径25マイル]で届出義務のある疾病が発生」のような文言が使われた疾病特約がある場合には、その範囲で発生したCovid-19に起因するあらゆる疾病によって引き起こされた事業中断(BI)を補償することができると判示しま した。その範囲外で発生したCovid-19に起因する疾病による事業中断は補償されません。


2. アクセス禁止特約およびハイブリッド特約 - 一般的に、アクセス禁止特約は、公的機関の介入に より被保険者の事業施設へのアクセスまたは使用が禁止されたことにより生じた事業中断による損失を補償するものです。ハイブリッド特約は、疾病特約とアクセス禁止条項の文言を組み合わせたもので、届出義務のある疾病の結果として事業施設に制限がかかった場合に補償するものです。


連合王国最高裁判所は、公的機関(例えば政府)により「課せられた制限」は、同機関が法定または その他の法的権限に従って「課した」強制手段を意味するものと理解されると判示しました。 しかし、裁判所が課す制限が法的拘束力を持たない場合でも、「課せられた制限」に該当する可能性があります。


以下のガイダンスを使用する必要があります。

a). 「課せられた制限」には、法的拘束力ある措置がまもなく適用されることを見越して公的機関が与えた強制的な指示が含まれる場合もあれば、国民が遵守しない場合に適用される場合もあります。

b). 連合王国最高裁判所は、Covid-19 関連の政府のあらゆる発表や規則が「課せられた制限」に該当するかどうかは判示しませんでしたが、事業やその他の施設を閉鎖するという次のような具体的な 指示に関しては、その主張は「明らかに強い」とコメントしました。

i) 2020年3月18日付、首相による学校閉鎖の指示

ii) 2020年3月20日付、首相による特定事業閉鎖の指示

iii) 3月24日付、特定企業に対する商業利用のための閉鎖措置(在宅、あらゆる不要な移動および社

会的接触の停止、可能な限り在宅勤務という、より一般的な政府の指示とは異なる)


c). 「使用不可」の施設: 裁判所は、保険契約者が一部の事業活動のために施設を利用できない場合にも、事業活動のために施設の一部を利用できない場合にも、使用不可の要件を満たすと判示しました。いずれの場合も、施設を利用できないことに因る事業の部分のみが補償されます。

d). ゴルフコースはオープンしているものの、クラブハウスが閉鎖しており、飲食の提供やおもてなし機能を持つ、一部ではあるものの事業にとって重要なゴルフクラブの一部が使用不可である場合のような例も当てはまるかもしれません。また、テイクアウェイや通信販売のためにオープンしたままのレストランや店舗も、保険規約の文言がこれをカバーしていることを条件に、個人的なビジネスの損失について請求を進められることは明らかでしょう。


3. 因果関係 - 疾病特約を解釈する際に、被保険者の事業中断による損失がCovid-19に起因することを示すためには、疾病特約の対象地域内で1つ以上のCovid-19の疾病事例に対応するために政府の指導措置をとった結果としての事業中断であることを証明すれば十分です。


裁判所は、「アクセス禁止特約/ハイブリッド特約の文言」が、事業中断(BI)による損失による被保険危険(insured peril)のあらゆる要素のリスクに対して保険契約者をカバーすると結論付けました。


連合王国最高裁判所の判決は、事業中断(BI)に関連する企業にとってどのような意味があるでしょうか?

今回の判決は、全部とは言えないまでも多くの企業にとって大変ポジティブなニュースです。この最新の判決は、請求が成功する可能性を大幅に高め、以前の2020年9月の高等法院の判決よりもはるかに進んでいます。連合王国最高裁判所は、高等法院の判決よりも狭義に疾病特約を解釈しましたが、アクセス禁止特約/ハイブリッド特約の文言については解釈を拡げました。そして、この因果関係に関する所見により、保険会社が保険の適用を拒否したり、被保険者に起因する補償を減額したりすることはより困難になるでしょう。しかし、強調しておきたいのは、保険会社がすべて同じ文言を使っていたわけではないということです。なかには、他社よりも緩やかな文言を使っていたところもありました。


連絡先

Covid-19パンデミックについて、連合王国最高裁判所の最近の判決に照らして保険がカバーされているかを

確認するために、貴社の事業中断保険の見直をご希望の場合には、3CSの紛争解決チームまたは

商法チームにご連絡ください。連絡先は右の通りです。

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Adam Haffenden

Senior Associate and Head of Dispute Resolution/Litigation